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全国公立高校事務職員協会研究大会・報告
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令和6年度(福岡県)
第76回全国公立高等学校事務職員研究大会(福岡大会)
期間:令和6年7月24日~令和6年7月26日
会場:福岡アイランドシティフォーラム
第1分科会:メインテーマ「学校組織マネジメント」/サブテーマ「学校経営への参画」
研究発表:石川県「コロナ禍の経験を踏まえたオンライン会議活用の取り組みと課題」
高知県「事務,つかさどれていますか?~高知県は教育事務職員になりました~」
埼玉県「調査研究戦隊!タスケルンジャー!!~事務職員からのSOSに出動!の巻~」
第2分科会:メインテーマ「業務の改善と効率化」/サブテーマ「実践と提案」
研究発表:和歌山県「特別支援学校統合公社建築に携わって」
青森県「学校事務マニュアルの作成と活用に向けて」
熊本県「押印見直しに伴う規則改正の変更点の概要」
特別分科会:メインテーマ「Z世代の学校運営への参画/サブテーマ「人・学校・地域とつながる事務職員」
講義・グループワーク・グループ討議
令和5年度(宮城県)
第75回全国公立高等学校事務職員研究大会(宮城大会)
期日:令和5年8月9日~令和5年8月10日
会場:仙台国際センター
令和元年(兵庫県)
平成27年度(佐賀県)
会 場:佐賀市文化会館
期 間:平成27年7月22日(水)~24日(金)
第1分科会 メインテーマ:学校組織マネジメント/サブテーマ:学校経営への参画
研究発表
北海道 道立学校事務改善完成後の学校事務職員の役割と目指すもの
北海道岩見沢高等養護学校 主任主事 室谷 和子 ほか
千葉県 震災時における県立学校の対応について
~想定外にしないための72時間シュミレーション~
千葉県立流山高等学校 主事 黒石 真梨 ほか
大分県 はじめての学校現場 ~引継書の必要性~
大分県立大分舞鶴高等学校 主査 森下 真 ほか
基調講演 「私たちはどんな角度から評価されるのか?また,どんな角度から評価されたい?」
講師 株式会社ゼフラッグ 代表取締役 中村 新
討議・対談 テーマ 「学校評価って?事務室はどこを評価されたい?」
~学校評価(事務室評価)っておもしろいかも?~
対談者 株式会社ゼフラッグ 代表取締役 中村 新
熊本県立済々黌高等学校 審議員 田中 秀実
長崎県立長崎南高等学校 主任 小森 誠之
佐賀県立到遠館高等学校 主査 新水 佳織
第2分科会 メインテーマ:業務の改善と効率化/サブテーマ:実践と提案
研究発表
宮城県 「事務提要のデジタル化」について
宮城県立石巻高等学校 主事 阿部 泰治 ほか
奈良県 学校事務職員の課題と取り組み
奈良県立奈良高等学校 事務長 大平 隆造 ほか
高知県 いつかくる南海トラフ大地震に備えて
高知県立佐川高等学校 主事 江口 理香 ほか
基調講演 「悩める学校事務職員に贈る言葉」 ~効率化するのは君だ~
講師 株式会社 佐々木常夫マネージメント・リサーチ 代表取締役 佐々木 常夫
討議・対談 テーマ 「今ある業務を効率化して学校満足度を上げよう!」
~良い習慣は才能を超える~
対談者 株式会社 佐々木常夫マネージメント・リサーチ 代表取締役 佐々木 常夫
佐賀県 情報業務・改革課 主査 円城寺 雄介
佐賀県立小城高等学校 主査 吉田 顕徳
第3分科会 メインテーマ:今日的課題への提言/サブテーマ:多様な視点からの学校づくりを考える
研究発表
愛知県 事務室の今,そして未来への提言 ~より輝く事務室をめざして~
愛知県立衣台高等学校 主査 磯村好史 ほか
広島県 H26.8.20広島市豪雨土砂災害と学校危機管理
広島県立三次青陵高等学校 事務長 深田 俊克 ほか
班別討議 討議題 「新しい高等学校等就学支援金制度等に関する実務探求」
~情報共有・共通理解により効果的かつ効率的な事務処理を探る~
司会進行 千葉県立松戸国際高等学校 事務長 秋谷 京子
千葉県立袖ケ浦高等学校 事務長 大野 修平
講師 文部科学省初等中等教育局財務課 高校就学支援室
班別司会 千葉県立松戸国際高等学校 事務長 秋谷 京子
千葉県立袖ケ浦高等学校 事務長 大野 修平
群馬県立前橋南高等学校 事務長 櫻井 修史
東京都立狛江高等学校 経営企画室長 谷野 仁子
全国公立高等学校事務職員協会研究大会(特別分科会)報告
全国公立高等学校事務職員協会研究大会(特別分科会)報告
(鹿児島県公立学校事務職員協会 本部理事 本吉 恵)
○特別分科会(被災地視察)
平成26年7月23日(水)から3日間,岩手県盛岡市で全国公立学校事務職員協会研究大会が
開催された。今年度は,東日本大震災後,初の東北支部での開催のため,全体会の前日に特別分科会として被災地視察が行われた。
視察には鹿児島県から2名,全国から計78名が参加,バス2台に分乗し,盛岡市発着で岩手県の
陸前高田市と大槌町を訪問した。
訪問地では住民(語り部)から当時の体験を聞き,車内では,当時沿岸部の学校に勤務していた事
務職員(4名)の体験談を聞いた。また,参加者は自己紹介と,3.11に何をしていたか,またその後の生活に変化があったかなどを紹介し合った。
(なお,このときの事務職員の方の体験談は全国協会のHPに掲載されています。)
○陸前高田市の被災概要と現在
陸前高田市は,震災後の奇跡の一本松で知られる地であるが,震災前の市街地は縦横約2キロの
海抜約0mの場所にあり,市庁舎を始め,JRの駅,主な施設や建物,住宅が集中していた。よって,
3階建ての市庁舎を超える程度の高さまで津波が到達したときには,向かいの教育委員会が入った市
民会館・体育館に避難したほとんどの市民や市教委職員,そして市全体では1700名以上が死亡ま
たは行方不明となり,県内でもっとも被害が大きかった。
現在はすべての住宅とほとんどの建物が壊され,がれきもなくなり,遠くまで見渡せる沿岸部には高さ
1mほどの草が茂っているか,または,復興事業によりベルトコンベアーが置かれ,隣接する山から土を運び12.5mの嵩上げの土地改良がされている。
○陸前高田市の小中学校の被災
市街地の小学校は高台にあり津波被害がなかったが,地震発生後,すぐに迎えに来た保護者に児
童を引き渡したため,その後の道路の渋滞により,津波に巻き込まれた親子もいた。
一方,河口横にあった中学校では,教育委員会が事前に指定した避難場所には逃げず,校長の判
断ですぐ横の丘に避難したことにより,校舎は屋上まで津波で浸かったがほとんどの生徒職員が無事で
あった。
○大槌町の被災概要と現在
大槌町はひょっこりひょうたん島(蓬莱島)で有名な場所で,大槌湾に3本の川が流れ込むリアス式海
岸沿いにあり,海岸線の複雑さから沿岸部でも数十m離れているだけで津波の被害差に大小があった。
また,沿岸部の低地は地震により約80cmの地盤沈下,現在も多数の湧き水が発生している。
沿岸部の低地にあった大槌町役場は町長以下職員30名以上が死亡した。また,小学校は地震と
津波で全壊し解体撤去,跡地を仮設商店街として利用している。
現在,低地ではがれきを粉砕し盛り土に利用,沿岸地域14.5mの嵩上げの計画が進められている。
○地震の備え
地震・津波を経験した学校職員の話を聞いて,学校として備えておくべき事を考えさせられた。
まず,学校施設が,避難所として機能するか,ということである。避難所として指定されていなくても,帰宅できない生徒職員や近隣住民への対応を迫られた場合はどうだろうか。例えば水・食料・毛布・暖房器具等の備蓄は十分か,炊事施設・トイレの数は足りるか,バリアフリーの対応はされているか等,実際に備えるには予算も伴うが,少なくとも現状把握は必要だろう。
次に,体育館が遺体安置所に,保健室が診療施設に,校庭が自衛隊の駐屯場所になるなど,予想されない使用もありうることも想定しておくべきだろう。
さらに陸前高田市の消防団員の多数の殉職など,公務員の任務遂行と自身の生命確保の相対する事例の発生から,学校職員においても,生徒の救助や任務を完了できなくとも,職員が危険な状況であれば避難してよいか,また迎えに来た保護者へ生徒を引き渡すことができても,すぐ帰宅させてよいかの判断など,学校としての考え方をまとめておくべきだと感じた。
また,個々の日頃の備えとして,パソコンのデータの保存方法と更新の頻度は災害が発生しても安心な状態にしておきたいと思った。
学校全体でも個人でも,過去に災害の経験がありながら被害程度が軽度に予測されていたり,また災害への備えが完了・完璧であると過信していないかを改めて見直すべきだと教えられた。
○教訓「津波てんでんこ(命てんでんこ)」
地元の方の話でも全体会の陸前高田市長の講演でも言われたのが,「津波てんでんこ(命てんでんこ)」だった。「てんでんこ」とはめいめい,各自という意味で,津波が来たら,それぞれが自分の命は自分で守りなさい,ということだった。このことから災害発生時の各自の対応について日頃から考えておき,またそれを家族や職場で共有しておくべきだと感じた。
○終わりに
今回は岩手県で震災を経験された住民の方々と学校職員から,自身がどのような状況で命が助かったかだけでなく,目の前で人々が津波に流されていたこと,津波から逃げる車が,歩いている人をはねていたこと,身近な方が正視できないほどの姿で見つかった上に火葬も出来ず県境までいくにもガソリンがなかったこと,などなど,数々のエピソードを聞くことが出来た。鹿児島県内でも過去に災害を体験しているが,今回の震災は過去にないような被害で,マスコミで報道された事実以外に,経験され方の話を聞かないと想像さえしなかったことが起こっていたのだと実感した。
視察した場所は,未だ仮設の住宅や商店が多いこと,道路や鉄道が未完であることなど,まだまだ十分なものではなかったが,着実に復興が進んでいた。そして,被災した建物などが撤去されていると,震災の発生を実感出来にくくあるが,この災害を忘れることがないよう,今後も被災地への関心を持ちつづけていきたいと思った。
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